近年の動向

生産過剰に加えて1970年代よりアメリカからオレンジ輸入枠拡大の要請が強まり、政府はミカン栽培縮小へ方針を転換した。政府の政策は他種への改植を促すことにもなり、ウンシュウミカンの栽培面積が年々減り続ける一方で、他の柑橘の栽培は拡大した。

1980年代からの日米貿易摩擦の中で1991年にオレンジの輸入自由化が始まった。円高も相まってオレンジの輸入が増大する一方で主に北米向けに行われていた輸出は途絶え、ミカン栽培は危機を迎えた。これに対して各産地では生産調整、品質の向上、価格が高い早生や極早生への切り替え等で対応し、ウンシュウミカンの価格は傾向として一時的に上昇した。しかし農家の後継者不足や果樹消費の多角化等、日本のミカン栽培は今なお様々な問題を抱えている。

近年では新たな販路として日本国外への輸出拡大が試みられており、主な輸出先である北米の他にも香港や台湾といったアジア諸国への輸出も始まった。